たくさんのポーカー本がありますが、グーグルで『ポーカーのおすすめ本』を検索しても、本を読んでいないライターが書いたような、もしくはその本の紹介記事を参考にして書いた文章が多いです。教科書的で無難な内容ばかりが並んでいて、読んでいても面白くないです(グーグルでは、そのような当たり障りのない記事が評価されているのですが、、、)
でも実際知りたいのは、その本を買って価値があるのか?そして読んだ人しかわからない、その本の短所だと思います。
今回、ポーカー本をレビューするに当たり、実際に本を読んだ人しかわからないマイナス点もしっかりと紹介していこうと思います。
紹介する順番は読んだ順になります。おすすめ順ではありません。
アグレッシブポーカー強敵を倒せ
こちらの本は下の解説ページで紹介しています。そちらを読んでいただけるとどのような内容かわかります。
オールインのプロフェッショナルになりたい人に、おすすめです。ただし、アグレッシブポーカー強敵を倒せで紹介するオールイン戦略がいかにすごいかという話が延々と続くので、最初は辛抱強く読み続ける必要があります。実際のオールイン戦略の内容は、本を30%ほど読み進めたところでたどり着きます。時間を節約したい場合、パート2の強敵殺し初心者戦略から読むことをおすすめします。
あと全体的に体験談的なものが多いので、ページ数の割に内容は薄いと感じる人もいるかもしれません。
こんな人には『アグレッシブポーカー強敵を倒せ』の購入をおすすめしません
まだテキサスホールデムで遊んだことがない人にはおすすめできません。というのも本を読んでもゲームをイメージすることができないため、理解しにくいです。最低でも、すでにテキサスホールデムのプレイ経験がありルールも知っている必要があります。
もし、この本を読めるレベルにすぐになりたい!という人はエムホールデムのチュートリアルがわかりやすくておすすめです。ゲームで遊びながら、基本的なルールを短時間で学ぶことができます。
ゼロから勝てるポーカー カジノオーナーが教えるテキサスホールデム
テキサスホールデムをちょっと遊んでみたけど、もっと詳しくルールを知りたいという人におすすめです。できるだけわかりやすく説明してくれていますが、文字での説明なので想像力が必要です。まだテキサスホールデムをしたことがないという人には、文字だけだとイメージしにくいので、よくわからないとなるかもしれません。
私が初めて購入したポーカー本がこの本ですが、テキサスホールデムの経験がない状態で読んだので1章の後半で挫折してしまいました。その後、テキサスホールデムが無料で遊べるポーカーチェイスやエムホールデムでしばらく遊んでから、この本を読むとかなり理解できるようになりました。
テキサスホールデムが何もわからない状態で、本を読み始めるとかなりきついぞ。まずは実際にポーカーチェイスやエムホールデムでポーカーにある程度慣れてから、本を読むことのがポーカー上達のコツだ。
この本を読んでいる時点でポーカーチェイスはレジェンドになったばかり、エムホールデムはハンド数が8000回を超えてきましたが、第三章は少し内容が難しいです。私のランクはプロフェッショナルで運よくプロフェッショナルクイーンになることもありますが、だいたいシーズの終わりにポイントはマイナスになることが多いです。もし第三章の内容をしっかりと理解し実践することができれば、エムホールデムのランクマッチでも勝率が上がってくるはずです。
ポーカー教室 (カジノブックシリーズ)
2005年WSOPメインイベントで日本在住の日本人として初入賞したポーカー侍さんが著者の本です。モデルやタレント活動、秋葉原のノーレート雀荘にて雀士としても活動していた苑武れむ(EmbLem)さんにテキサスホールデムを教えるという会話調の文章で、読みやすいです。
ただしテキサスホールデムを麻雀と比較しながら説明しています。麻雀がわかるのであれば、わかりやすい説明なのでしょうが、麻雀を知らない人には説明がわかりにくいです。私は麻雀がわからないので、余計な文章を読まされている感がありました。たとえば次のような文章です。
もしテキサスホールデム以外にもオマハ、オハマハイアンドロー、7カードスタッド、ラズ、7カードスタッドハイ&ローを勉強したいなら、この本はおすすめです。しかし、実際にやり方を勉強しても遊べる場所は少ないです。海外のカジノでポーカーをするときも、オハマや7カードスタッドがプレイできるところは、ものすごく限られています。日本のアミューズメントカジノもほとんどがテキサスホールデムしかプレイできません。さらにポーカーの無料アプリ、ポーカーチェイスやエムホールデムもオマハ、オハマハイアンドロー、7カードスタッド、ラズ、7カードスタッドハイ&ローをプレイすることはできません。
結局、やり方を勉強しても遊ぶ機会がないので読むだけ時間の無駄になってしまいます。私は、オマハや7カードスタッドの説明部分は読み飛ばしました。結果的に本全体の40%近くを読み飛ばすことになりました。
フィル・ゴードンのポーカー攻略法 入門編
アマゾンのポーカー関連の本で一番人気の本です。アマゾンのレビューにもある通り、入門編だからテキサスホールデムを始めたばかりの人が対象者かというと全くそうではありません。ある程度の経験者でないと理解できないと思います。もしくは数学が強い理系タイプなら、すぐに理解できるのかもしれません。
私はすでにテキサスホールデムをポーカーチェイスやエムホールデムで10000ハンド以上プレイしていて、基礎的な専門用語は理解していますが、それでも『フィル・ゴードンのポーカー攻略法 入門編』は理解できません。数学が苦手というのもあるかもしれませんが、、、
たとえば次の文章を参考に、もし理解できそうであれば、購入を検討してください。
専門用語が当たり前のようにバンバンでてくるで。入門編というタイトルやけど、あきらかに経験者向け、それもポーカーで本気で勝ちたい人向けの本だ。
オッズとか比率の話になると、私はギブアップ
あと、翻訳本なので何度読み返しても、日本語がよく理解できないところがあります。
AAでもほぼありないような状況で彼に勝っている???どういうこと?
相手のハンドがAAだとしても、ほぼ逆転できるような状況ではなくて、私が勝っているということかな?
購入したときはポーカー歴5ヶ月ほどですが、この本は難しいので読むのを諦めました。
トーナメントポーカー入門
ポーカーを初めて6ヶ月くらい経って読みました。基礎的な内容をしっかりと学習することができます。まだいろいろなポーカー用語について慣れていない場合は、本の内容が難しいと感じるかもしれません。
たとえば次のような文章です。スロープレイに関する説明です。
スロープレイするのに適切な状況は、アグレッシブな相手とヘッズアップになっている場合であり、複数の相手がいる場合には、ナッツに近い相当強いハンドを持っていなければならないとしています。スロープレイの目的は余分なベットを引き出すことによって利益を上げることで『ベット→フォールド』ではなく『チェック→ベット→レイズ→フォールド』とさせることです。
アグレッシブ、ヘッズアップ、ナッツなどの基礎的なポーカー用語を理解していないと、読むのが大変だぞ。ポーカー用語は下のリンクで詳しく説明しているから参考にしてくれ
この本の欠点はタイトルがトーナメントポーカー入門となっていますが、実際はテキサスホールデム入門が正しいタイトルだと思います。すでにポーカー経験者で基礎知識のある人がトーナメントで強くなるためにこの本を購入するとがっかりすると思います。
なぜなら、この本は全部で第六章までありますが、第一章がテキサスホールデムの基礎知識、第二章がベッティングアクション、第三章はプリフロップ戦略、第四章がフロップ戦略、第五章がポストフロップ戦略となっていて、トーナメントというよりもテキサスホールデムの一般的な内容になっているからです。
具体的なトーナメントに関する戦略は第六章のみです。トーナメント情報を求めて、この本を買うと少し残念な気持ちになるかもしれません。一方、初心者が中級者を目指す第一歩としてこの本を購入するのはおすすめです。フローティングやチェックレイズ、ポットコントロールなどポーカーの基礎的な戦術について学習することができます。
エド・ミラーのポーカースクール ライブゲームで勝つ
『ポーカースクール ライブポーカーで勝つ』は、全部で4つの章からできています。1章はライブキャッシュゲーム、オンラインキャッシュゲーム、ライブトーナメント、オンライントーナメントについて説明しています。
オンラインキャッシュゲームは強いプレイヤーが多いため、ポーカーで上達したいならおすすめです。しかし、ポーカーで稼ぐことを目指すのであれば、プレイヤーのレベルが低いライブキャッシュゲームがおすすめです。
ライブキャッシュゲームは1時間あたりのハンド数が少ないため、5ドル/10ドルのレートだと1時間に上手なプレイヤーでも約40ドルしか稼げません。一方、オンラインでは同じレートで1時間に240ドル稼ぐことも可能です。
ライブトーナメントは競技性が高のが魅力的ですが、拘束時間が長いため、ポーカーで稼ぐことを目的にした場合、あまり効率が良いとは言えません。ただし、下手なプレイヤーが多く参加するため、上位に入るチャンスはあります。
オンライントーナメントは、ライブゲームよりも上手なプレイヤーが多いものの、オンラインポーカーのキャッシュゲームほどレベルは高くありません。オンラインポーカーで稼ぐことを目的としているなら、ライブキャッシュよりも複数のトーナメントに同時参加するほうが稼げる可能性は高いです。
エド・ミラーは、オンラインキャッシュゲームでプロを目指すのは非常に難しく、一般にはライブキャッシュゲームをおすすめしています。オンラインでプロを目指すには多大な時間と忍耐力が必要で、非常に厳しい道であると警告していました。
第二章からは具体的にライブポーカーで勝つための戦略について書いています。ライブポーカーの戦略ですが、無料のオンラインポーカーにも利用できる戦略です。私は今までエムホールデムで毎シーズン、プロフェッショナルジャックで終わることが多かったのですが、なぜプロフェッショナルジャックから上位のランクに上がることができないのか、また上がるためには何をすればいいのか、学ぶことができました。
『ポーカースクール ライブポーカーで勝つ』で学んだことを利用すれば、安定的にエムホールデムでプロフェッショナルクイーン以上のランクがとれそうです。
実際にこの本を読んでいるときに2回連続でプロフェッショナルキングになりました。
エムホールデム、前回に続き、今回もプロフェッショナルキングでした。負けないプレイ大切やね pic.twitter.com/6ojKAVC0Tv
— (ポーカー用)ギャンブラーヒカル (@hikaru_poker777) June 1, 2024
$1―2のレート、$2―5のレート、$5―10のレートのテーブルでどうすればよいのか、その戦略について具体的に説明しています。$1―2のレート、$2―5のレートについての戦略は、かなり詳しく説明しています。
全体的な要約をすると、
- $1―2のレートはターン、リバーで相手の大きなベット、リバーにフォールドできるようになる
- $2―5のレートでは、大きなベットやレイズにフォールドできるプレイヤーにブラフする
- $5―10のレートではブラフしすぎのプレイヤーに強いハンドレンジでコールする
です。
『ポーカースクール ライブポーカーで勝つ』は初級から中級を目指すポーカープレイヤーに、おすすめのポーカー本です。ただし、翻訳本なのでときどき意味のわからない文章がありました。たとえば次のような文章です
相手のプレイを解読にかかることもできるってどういうこと?
相手のプレイの癖がわかれば、そこから相手のチップを奪うことができるということじゃないかな?
他にも、『リバーでクラブを引いてサックアウトすることができる』という表現もありました。サックアウトは日常的に日本語で使う言葉ではありません。ここからも翻訳が雑なことがわかります。
本の難易度で言えば、『トーナメントポーカー入門』よりは難しくて、『フィル・ゴードンのポーカー攻略法 入門編』より簡単です。
この本を読んだ後に、エムホールデムでレジェンドジャックになることができました。レジェンドランクになりたいという人には、役立つ本かもしれません。
エムホールデムでレジェンドジャック初めて獲得できた。
2回とれれば実力は本物かな?
このシーズンもレジェンドとれるよう頑張るぞ pic.twitter.com/5KRxfuG0oE— (ポーカー用)ギャンブラーヒカル (@hikaru_poker777) July 1, 2024
こちらが本の要約動画です。購入前の参考にしてください。
ステップアップポーカー
ステップアップポーカーは3つのパートにわかれています。パート1は、ほとんどがプリフロップに関する内容です。どのハンドでプリフロップに参加するのか、なぜレイズで参加するべきなのか、適切なレイズ額、ルースにプレイするか、タイトにプレイするか、ブラフの価値、マルチウェイポットでのハンドの価値(こちらのみポストフロップの内容が含まれます)などについて解説しています。
パート2からはポストフロップになります。ビッグハンド、ビッグドロー、スモールドロー、トップペアについて具体的にインポジション、アウトポジション、主導権があるかどうか、ポストフロップで複数のプレイヤーかヘッズアップかでパターン分けして、どのようにアクションするべきか解説しています。
パート3はブラフとリバーでのプレイ、アグレッシブなプレイをするためのトレーニング方法、バンクロールのマネジメントについて書かれています。
ステップアップポーカーも他の翻訳されたポーカー本と同じように意味がわかりにくいところが多いです。
「フルハウスの可能性を前にしおれざる終えません」とか「決断は流血を伴う」って独特な表現やな。翻訳家の人も「しおれざる」や「流血」以外に何か言葉が思いつかなかったんかな?小説じゃないんだから・・・
普通に「フルハウスの可能性があるから、あきらめざる終えません」でいいのにね
「0.8%のフロップでフラッシュをひきあてて」もポーカー初心者の人が読んでも意味がわからないだろうな
フラッシュになる確率はフロップだと0.8%ということだよね
納得のいかない部分もありました。
ステップアップポーカーというポーカー本について質問です。次の赤線の記述はどう思いますか?
アーリーポジションのレイズにJTsならBBから普通に参加するし馬鹿げているとも思わないのです。ハンドレンジ表を調べたらJToでも参加になるし。著者の意図がよくわからないです pic.twitter.com/flC3ictx0w
— (ポーカー用)ギャンブラーヒカル (@hikaru_poker777) June 24, 2024
ビッグブラインドのポジションについてどのハンドでコールするかという内容で、『JTスーテッドというハンドは強いハンドではありません。アーリーポジションからのレイザー、それもタイトで本物の手しかプレイしてこない相手に、JTでコールするというのは馬鹿げています』という記述があります。
この内容には、全く納得できないです。たとえば6マックスのキャッシュゲームでスタックが100BBのとき、アンダーザガンからのレイズに対してBBからのハンドレンジは次のようになっています。
JTsどころかJ7sでもコールで参加しています。ビッグブラインドのポジションは、多くのスーテッドハンドでコールで参加していいと思います。
ポーカー初心者がポーカー本を読むならどれがおすすめ?
会話調なので、『ポーカー教室』はとても読みやすいです。初心者におすすめのポーカー本は、『ゼロから勝てるポーカー カジノオーナーが教えるテキサスホールデム』か『ポーカー教室』だと思います。読みやすい文章が好きなら、『ポーカー教室』がおすすめです。ただし文章量に対して情報量は少なくなっています。さらにテキサスホールデム以外のポーカーゲームに関する説明が長いです。
いろいろなポーカーゲームについて知りたい人には『ポーカー教室』がおすすめですが、世界で一番人気のポーカーゲーム、テキサスホールデムについてのみ知りたい人にはおすすめできません。
これから真剣にポーカーの勉強をしようというのであれば、無料ポーカーアプリでゲームのやり方を学びつつ『ゼロから勝てるポーカー カジノオーナーが教えるテキサスホールデム』を読むのがおすすめです。
これを言ってしまうと営業妨害とか関係者とか思われるかもしれないけど、正直、テキサスホールデムの基礎を文字で勉強するのは、しんどいな。その点、エムホールデムのチュートリアルは実際にゲームをしながら基礎が学べるのでおすすめだ。
テキサスホールデムの無料アプリなら、ポーカーチェイスもあるけど、ポーカーチェイスのチュートリアルはどうかな?
うーーん、微妙w
微妙?
ルールだけを短時間で学びたいなら、ポーカーチェイスのチュートリアルでも大丈夫だけど、しっかりと基礎的なルールから簡単な戦略まで知りたいならエムホールデムのチュートリアルがおすすめやな。いちよ、ポーカーチェイスのチュートリアルは体験動画があるから、参考にしてみて。
コメント