ポーカーストラテジードットコムでは、ドイツ人ポーカープロのFALLOUT86さんたちが開発したポーカー初心者向けにマイクロステークスやNL5で勝つためのポーカー戦略が公開されています。
こちらのポーカー戦略は英語で書かれたものですが、ポーカーユーチューバーのしんぺーさんが日本語訳に翻訳してくれています。
今回、こちらの戦略を利用すれば本当にマイクロステークス、NL5で勝つことができるのか検証していきます。具体的なポーカー戦略については下記のリンクで確認してください。
どんなポーカー戦略なの?ポーカー初心者でも簡単にできるのか?
具体的な内容は、上のリンクで確認してもらいたいのですが、戦略としては非常にシンプルな内容になっています。GTOのようにいろいろなパターンを覚える必要がなく、ある程度ポーカーに慣れたプレイヤーでポーカー用語も理解している方なら2時間ぐらい勉強すれば、使える様になると思います。
実際の解説ページは同じ内容の繰り返し多く、ここではシンプルにそして初心者のポーカープレイヤーにもわかりやすい形で、この戦略について説明していきます。内容をシンプルにするため、細かい内容については省きましたが、先にこちらを読むことでより早く内容を理解することができます。
ハンドレンジの特徴は?プリフロップトレーナープロと比較してみた
アンダーザガンから順番にプリフロップトレーナープロとハンドレンジを比較します。プリフロップトレーナープロはモンカーソルバーで計算されたソリューションを利用してハンドレンジが作られています。
アンダーザガンのハンドレンジを比較
ポーカープロ考案の戦略はハンドレンジがとても狭く、たとえAのスーテッドもAT以上でしかゲームに参加しません。
一方、プリフロトレーナーのハンドレンジはAのスーテッドであれば何でも参加します。
ポーカープロ考案の戦略はポーカー初心者向けに作られているので、たとえプリフロップで他のプレイヤーにコールされてもフロップ以降に困らないよう、本当に強いハンドに絞ってゲームに参加します。さらにハンドレンジ表は3ベットや4ベットのハンドレンジとオーブンレンジのハンド表が1つになっているので覚えるのが簡単です。
プリフロップトレーナープロの4ベットハンドレンジも少し見ていきます。ハイジャック、カットオフが3ベットしてきた場合です。
プリフロップトレーナープロだとAQのスーテッドはコールになっています。一方、ポーカープロ考案の戦略は、インポジションのプレイヤーが3ベットしてきたときは、フロップ以降にポジションが不利になるため4ベットします。
AQスーテッドは4ベットするほど強くはありませんが、フロップ以降の戦い方が複雑でポーカー初心者には対応が難しくなります。そのためブラフ4ベットをしていきます。もし相手が5ベットしてきたらAQs、KQs、AQoのハンドはフォールドします。
ポーカープロ考案の戦略は、プリフロップトレーナープロのようにKTsやA5sでブラフ4ベットしないのも特徴的です。
ハイジャックのハンドレンジを比較
ポーカープロ考案の戦略は、アンダーザガンと同じように全体的にハンドレンジが狭いです。ただしポケットペアとスーテッドコネクターのみ参加ハンドが広くなっています。
フロップ以降も戦いやすいポケットペアやスーテッドコネクターの参加ハンドを少し広くし、他のレンジを少し狭くすることでうまくバランスをとっています。
プリフロップトレーナープロでアンダーザガンがレイズしたときのハイジャックの3ベットレンジと、ボタンが3ベットしたときのハイジャックの4ベットレンジを見ていきます。
ポーカープロ考案の戦略は、3ベットレンジも4ベットレンジもプリフロップトレーナープロに比べるとかなり広いことがわかります。
3ベットポットや4ベットポットはフロップ以降のアクションが難しく、少しのミスでチップを大きく失う可能性があります。初心者にとって3ベットポットや4ベットポットは難しいので本当に強いハンドのみ、相手のレイズに3ベット、4ベットします。
カットオフのハンドレンジを比較
カットオフになるとポーカープロ考案の戦略のほうが、少しハンドレンジが広くなります。これは、2NLや5NLのオンラインポーカープレイヤーは、スチールに対してポットを奪うために広いレンジで3ベットをするということを知らないからです。
3ベットが少ないのであれば、カットオフからも積極的にレイズしてゲームに参加することができます。
プリフロップトレーナープロでハイジャックからレイズがあったときのカットオフの3ベットレンジと、スモールブラインドから3ベットがあったときのカットオフの4ベットレンジを見ていきます。
ポーカープロ考案の戦略では、3ベットレンジがかなり広くなっています。ポケットペアやスーテッドコネクターでも積極的に3ベットしています。オープンレイズでの参加ハンドも広いので、ポーカープロ考案の戦略はポケットペアやスーテッドコネクターのハンドの価値が高いと判断しているようです。
4ベットのレンジもポーカープロ考案の戦略のほうが、プリフロップトレーナープロより少し広いです。
ポーカープロ考案の戦略は、3ベットや4ベットするときのハンドが強いハンドに偏っています。したがって3ベットレンジや4ベットレンジも一般のハンドレンジよりも覚えやすいです。
ボタンのハンドレンジを比較
ポーカープロ考案の戦略は、キャッシュゲームというよりもトーナメントのハンドレンジと同じくらい参加ハンドが広いです。スーテッドコネクターだけでなく、ワンギャップスーテッドコネクターやツーギャップスーテッドコネクターでも積極的に参加します。
2NLと5NLでは3ベットをするプレイヤーが少ないという状況を利用して積極的にポットをスチールする戦略だと言えます。
ちなみにこちらがトーナメントでチップが75BBあるときのボタンからのハンドレンジです。
スーテッド側での参加率は、ポーカープロ考案の戦略はキャッシュゲーム用ですが、ほぼトーナメント用のハンドレンジと参加率が同じになっています。
次にボタンがレイズして、スモールブラインドもしくはビッグブラインドが3ベットしたときのコールレンジです。右側はビッグブラインドが3ベットしたときのボタンのレンジになっています。
こちらのレンジに関してはとても似ています。ただプリフロップトレーナープロのレンジはより複雑で、Q9sやA3sで4ベットブラフをしたり、バリューでの4ベットレイズもJJやTTが入って少し広めです。
スモールブラインドのハンドレンジを比較
ポーカープロ考案の戦略は、ボタンとスモールブラインド参加するハンドが同じなので覚えやすいです。プリフロップトレーナープロのレンジは、一定の割合でコールで参加します。たとえばA2sだと約30%の割合でレイズ、約70%の割合でコールします。
2つのハンドレンジを比べると、ポーカープロ考案の戦略だとオフスート側の参加ハンドが少し狭いですが、スーテッドコネクター側は少し広くなっています。
ビッグブラインドのハンドレンジを比較
右側はカットオフからレイズがあったときのビッグブラインドのハンドレンジ表です。ポーカープロ考案の戦略では、コールするレンジがかなり狭いです。たとえレンジが強いアンダーザガンからのレイズに対しても、安心してコールすることができます。
一方、スモールブラインドからのレイズに対して、上のハンドレンジ表を使うと、フォールドし過ぎになると思います。実際にスモールブラインドからレイズがあったときの、ビッグブラインドのハンドレンジ表と比べてみます。
スモールブラインドからのレイズに対しては、たとえポーカープロ考案の戦略を使っていても意識的に参加ハンドを広げたほうがいいかもしれません。
初心者向けにできるだけハンドレンジをシンプルにしているので覚えやすいですが、アンダーザガンとスモールブラインドからの参加ハンドは全く違います。それなのにビッグブラインドでアンダーザガンからのレイズとスモールブラインドからのレイズで同じハンドレンジ表を使うというのは、少し厳しいような気がします。
スモールブラインドからのレイズに対して、明らかにフォールドしすぎになってしまいます。
ビッグブラインドのスリーベットレンジです。右側はプリフロップトレーナープロでのハイジャックからレイズがあったときのビッグブラインドのハンドレンジです。
ポーカープロ考案の戦略では、本当に強いハンドのみで3ベットします。一方、プリフロップトレーナープロだとAJsやKQoなどかなり強いハンドでコールしたり、あまり強くないK6sで3ベットしています。強いハンドの中に弱いハンドを混ぜ、弱いハンドの中に強いハンドを混ぜることで、相手はこちら側のハンドレンジを予測するのが難しくなります。
マイクロステークスを攻略するためのビギナーズガイドポストフロップ編
こちらではビギナーズガイドポストフロップの内容について、少し説明していきます。オリジナル記事を読むと、何度も同じ内容が繰り返されていて、少しわかりにくいです。
そこでオリジナルのビギナーズガイドを読む前に、こちらで要点について説明します。この要点を読んだあとにビギナーズガイドを読めば、より早く内容を理解することができます。
ポストフロップ編の要点と解説(シングルレイズポット)
インポジションの場合、すべてのハンドでベットします(相手がフロップでベットしてこなかった場合)そのためポットの3分の2だとリスクが大きくなります。またポジションが有利なため、アウトオブポジションのときに比べてベット額を大きくし、相手にプレッシャーをかける必要がありません。
トップペアなどの強いハンドのときに大きくベットして、ミドルペアやボトムペアなどの弱いハンドで小さくベットをすれば良いのでは?と思う人もいるかもしれませんが、ハンドの強さでベット額を変えると、相手に気づかれます。
ベット額を同じにすることで弱いハンドでも相手がフォールドしたり、強いハンドのときに相手はドローハンドでブラフしてきていると勘違いして、こちらの強いハンドにコールしてくれます。
インポジションからプレイしている場合、フロップではすべてのハンドでポットの3分の1をベットします。弱いハイカードでもベットしてください。アウトオブポジションの場合、プリフロップでレイズしてフロップでペアボードもしくはボードにAかKがあるとき、ブラフでポットの3分の2をベットします。
インポジションだと最後にアクションをすることができるので有利です。そしてプリフロップでレイズして相手がコールした場合、レイズした側とコールした側のハンドレンジを比べると、レイズした側のハンドレンジが強い可能性が高いです。したがってインポジションの場合、フロップは積極的にブラフをします。
もしフロップでボードにAもしくはKのカードがでたときや、ペアボードになったときはオリジナルレイザー側に有利です。というのもAやKはプリフロップにレイズした側に多いからです。たとえば100BBキャッシュゲーム、アンダーザガンのプリフロップでレイズするハンドを見てください。
AやKが含まれるハンドの割合が高いです。
一方、ビッグブラインドからアンダーザガンのレイズにコールした場合、ビッグブラインドのハンドレンジは次のようになります。
もちろんAやKが含まれるハンドは多いですが、それ以外のハンドも多いので全体的に見ると、AやKが含まれるハンドの割合は少なくなります。
つまりフロップでAやKがでるとビッグブラインド側は、すごく不利になります。
フロップがA J 5だとハンド全体でのビッグブラインドの勝率は、たったの37%です。Aの割合が高いアンダーザガンがかなり有利です。そのためアンダーザガンは強いハンドから弱いハンドのすべてでレイズをします。
フロップが7 7 Jの場合をみていきます。ペアボードだと現状、相手が7もしくはJを持っている可能性はかなり低いです。つまりAを持っていれば、ハンドとボードでペアができていなくてもかなり強いと言えます。
そしてプリフロップでレイズした側はAを持っている可能性が高くなるので、同じカードがフロップでボードにでた場合、有利になります。そこでプリフロップでアウトオブポジションからレイズした場合、コールした側よりレンジ全体が強いので、たとえハンドが強くなくてもフロップでブラフをします。
初心者プレイヤーはトップペアなど強いハンドを持っていると、ついつい相手の大きなベットにもコールしてしまいがちです。NL2やNL5のプレイヤーがリバーで大きなベットをしてきた場合、そのハンドはとても強く、ブラフの可能性は低いです。たとえトップペア、トップキッカーの強いハンドでも素直にフォールドします。
初心者プレイヤーは相手の大きなベットにトップペアでコールして大きくチップを失うことが多いです。悔しいですが、相手のポットベットやオールインなど大きなベットに対しては素直にフォールドします。
相手のベット額が小さい場合、モンスターハンドだと3倍レイズではなくもっと大きくレイズしたほうが合理的です。たとえばターンでフルハウスが完成しました。ここで相手が1BBのベットをしてきた場合、ポーカープロ考案の戦略では3BBのレイズを返すことになりますが、ポットに30BBあるならポットの3分の2、つまり20BBのレイズをするほうが利益的になります。
戦略に忠実に従うのではなく、例外もあるのだと判断して、相手の予想外のアクションには柔軟に対応していくことも大切です。
ポストフロップ編の要点と解説(3ベットポット)
相手がレイズしてきたらインポジションの場合、メイドハンド以上でコールします。アウトオブポジションならメイドハンド以上でオールインします。
ターン、リバーではメイドハンドとモンスターハンドでポットの3分の2をベットします。
インポジションに比べてアウトオブポジションは、ポストフロップで常に先に行動しなければいけないので不利になります。したがってプリフロップでインポジションなら3ベットにコール、アウトオブポジションなら3ベットに4ベットを返すなど、ハンドの強さは同じでもアクションが変わるときもあります。
同じようにフロップでのベット額もインポジションのときに比べて、アウトオブポジションは大きくなります。ベット額を大きくすることで相手がフォールドする確率が高くなり、ターン、リバーで正面から戦うのを避けることができます。
ポジションが有利だとベット額だけでなくブラフするハンドも変わってきます。インポジションはポジションが有利なので、フロップのみすべてのハンドでブラフできます。
アウトオブポジションは、ポジションが不利なのでフロップ、ターン、リバーでのアクションが難しくなります。そのような状況を避けるため、シンプルにオールインをします。
シングルレイズポットでは、モンスターハンドで相手のベットやレイズに対して3倍のベット額を返していましたが、3ベットポットではコールします。ただし相手のベット額が3分の1より小さい場合、モンスターハンドと強いドローハンドで相手のベット額の3倍でレイズします(アウトオブポジション、マルチウェイなら4倍)
相手がリレイズしてきたら、強いドローハンドでこちらのレイズの2倍までコールします。モンスターハンドは相手のレイズ額の3倍でレイズを返します。
コールできるベット額は、シングルレイズポットの場合と同じです。
ポーカープロ考案の戦略で本当に勝てる?検証してみた
実際にポーカープロ考案の戦略を使って、オンラインポーカーで勝つことができるのか検証していきます。最初にGGポーカーのマイクロステークス、2NLのラッシュ&キャッシュと通常のテキサスホールデムで検証します。
それぞれ3時間ずつプレイします。2NLのあとに5NLも検証していきます。
2NLのラッシュ&キャッシュで検証してみた
今回は運が良いのか悪いのかよくわからないゲームになりました。
3ベットのハンドレンジが6%とかなり狭いです。そんなプレイヤーの4ベットは危険です。プレミアムハンドしかでてきません。本来ならフォールドしたいですが、ポーカープロ考案の戦略ではプレミアムハンドはプリフロップで相手のレイズに対してレイズし続けます。
相手はクイーンのポケットペア。運よくリバーでエースが出て勝つことができました。
さらにラッキーが続きます。キングのポケットペアのときに相手はAのポケットペア。最悪の展開ですが、ここでもフロップにKがでて勝ちます。
まだ幸運が続くのか?フロップでフラッシュが完成します。フロップでフラッシュが完成する確率は約0.19%です。
この幸運を活かすしかない!!
ターンでオールイン対決になりました。相手はフロップの段階でナッツフラッシュを完成させていて絶望的な状況。もともと70BBしかなかったので助かりました。
最終的には2.14ドルの利益で107BB勝っています。しかし、2回オールイン対決に勝っていることを考えると良い結果とは言えません。
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