ポーカーストラテジードットコムでは、ドイツ人ポーカープロのFALLOUT86さんたちが開発したポーカー初心者向けにマイクロステークスやNL5で勝つためのポーカー戦略が公開されています。
こちらのポーカー戦略は英語で書かれたものですが、ポーカーユーチューバーのしんぺーさんが日本語に翻訳してくれています。
今回、こちらの戦略を利用すれば本当にマイクロステークス、NL5で勝つことができるのか検証していきます。具体的なポーカー戦略については下記のリンクで確認してください。
どんなポーカー戦略なの?ポーカー初心者でも簡単にできる?
具体的な内容は、上のリンクで確認してもらいたいのですが、戦略としては非常にシンプルな内容になっています。GTOのようにいろいろなパターンを覚える必要がなく、ある程度ポーカーに慣れたプレイヤーでポーカー用語も理解している方なら、2時間ぐらい勉強すれば使える様になると思います。
実際の解説ページは同じ内容の繰り返しが多く、ここではシンプルにそして初心者ポーカープレイヤーにもわかりやすい形で、この戦略について説明していきます。内容をシンプルにするため、細かい内容について省きましたが、先にこちらを読むことでより早く内容を理解できます。
ハンドレンジの特徴は?プリフロップトレーナープロと比較してみた
アンダーザガンから順番にプリフロップトレーナープロとハンドレンジを比較します。プリフロップトレーナープロはモンカーソルバーで計算されたソリューションを利用してハンドレンジが作られています。
アンダーザガンのハンドレンジを比較
プロ考案の戦略はハンドレンジがとても狭く、たとえAのスーテッドもAT以上でしかゲームに参加しません。
一方、プリフロトレーナーのハンドレンジはAのスーテッドであれば何でも参加します。
プロ考案の戦略はポーカー初心者向けに作られているので、たとえプリフロップで他のプレイヤーにコールされてもフロップ以降に困らないよう、本当に強いハンドに絞ってゲームに参加します。さらにハンドレンジ表は3ベットや4ベットのハンドレンジとオーブンレンジのハンド表が1つになっているので覚えるのが簡単です。
プリフロップトレーナープロの4ベットハンドレンジも少し見ていきます。左から順にハイジャック、カットオフが3ベットしてきた場合です。
プリフロップトレーナープロだとAQのスーテッドはコールになっています。一方、プロ考案の戦略は、インポジションのプレイヤーが3ベットしてきたときは、フロップ以降にポジションが不利になるため4ベットします。
アウトオブポジションだとフロップ以降の戦い方が難しくなります。そのためブラフ4ベットをしていきます。もし相手が5ベットしてきたらAQs、KQs、AQoのハンドはフォールドします。
プロ考案の戦略は、プリフロップトレーナープロのようにKTsやA5sでブラフ4ベットしないのも特徴的です。全体的に一般的なハンドレンジ表に比べて3ベットや4ベットでブラフはほぼしません。
ハイジャックのハンドレンジを比較
プロ考案の戦略は、アンダーザガンと同じように全体的にハンドレンジが狭いです。ただしポケットペアとスーテッドコネクターのみ参加ハンドが広くなります。
フロップ以降も戦いやすいポケットペアやスーテッドコネクターの参加ハンドを少し広くし、他のレンジを少し狭くすることでうまくバランスをとっています。
プリフロップトレーナープロでアンダーザガンがレイズしたときのハイジャックの3ベットレンジと、ボタンが3ベットしたときのハイジャックの4ベットレンジを見ていきます。
プロ考案の戦略は、3ベットレンジも4ベットレンジもプリフロップトレーナープロに比べるとかなり広いことがわかります。
3ベットポットや4ベットポットはフロップ以降のアクションが難しく、少しのミスでチップを大きく失う可能性があります。初心者にとって3ベットポットや4ベットポットは難しいので本当に強いハンドのみ、相手のレイズに3ベット、4ベットします。
カットオフのハンドレンジを比較
カットオフになるとプロ考案の戦略のほうが、少しハンドレンジが広くなります。これは、NL2やNL5のオンラインポーカープレイヤーは、スチールに対してポットを奪うために広いレンジで3ベットをするということを知らないからです。
3ベットが少ないのであれば、カットオフからも積極的にレイズしてゲームに参加することができます。
プリフロップトレーナープロでハイジャックからレイズがあったときのカットオフの3ベットレンジと、スモールブラインドから3ベットがあったときのカットオフの4ベットレンジを見ていきます。
プロ考案の戦略では、3ベットレンジがかなり広くなっています。ポケットペアやスーテッドコネクターでも積極的に3ベットしています。カットオフのポジションからオープンレイズで参加するハンドも広いので、プロ考案の戦略はポケットペアやスーテッドコネクターの価値が高いと判断しているようです。
4ベットのレンジもプロ考案の戦略のほうが、プリフロップトレーナープロより少し広いです。
プロ考案の戦略は、3ベットや4ベットするときのハンドが強いハンドに偏っています。したがって3ベットレンジや4ベットレンジも一般のハンドレンジよりも覚えやすいです。
ボタンのハンドレンジを比較
プロ考案の戦略は、キャッシュゲームというよりもトーナメントのハンドレンジと同じくらい参加ハンドが広いです。スーテッドコネクターだけでなく、ワンギャップスーテッドコネクターやツーギャップスーテッドコネクターでも積極的に参加します。
NL2とNL5では3ベットをするプレイヤーが少ないという状況を利用して積極的にポットをスチールする戦略だと言えます。
ちなみにこちらがトーナメントでチップが75BBあるときのボタンからのハンドレンジです。
スーテッド側での参加率は、プロ考案の戦略はキャッシュゲーム用ですが、ほぼトーナメント用のハンドレンジと参加率が同じになっています。
次にボタンがレイズして、スモールブラインドもしくはビッグブラインドが3ベットしたときのコールレンジです。右側はビッグブラインドが3ベットしたときのボタンのレンジになっています。
こちらのレンジに関してはとても似ています。ただプリフロップトレーナープロのレンジはより複雑で、Q9sやA3sでブラフ4ベットをしたり、バリューでの4ベットレイズもJJやTTが入って少し広めです。
スモールブラインドのハンドレンジを比較
プロ考案の戦略は、ボタンとスモールブラインドで参加するハンドが同じなので覚えやすいです。プリフロップトレーナープロのレンジは、一定の割合でコールで参加します。たとえばA2sだと約30%の割合でレイズ、約70%の割合でコールします。
2つのハンドレンジを比べると、ポーカープロ考案の戦略だとオフスート側の参加ハンドが少し狭いですが、スーテッドコネクター側は少し広くなっています。
ビッグブラインドのハンドレンジを比較
右側はカットオフからレイズがあったときのビッグブラインドのハンドレンジ表です。プロ考案の戦略では、コールするレンジがかなり狭いです。たとえレンジが強いアンダーザガンからのレイズに対しても、安心してコールできます。
一方、スモールブラインドからのレイズに対して、上のハンドレンジ表を使うと、フォールドし過ぎです。実際にスモールブラインドからレイズがあったときの、ビッグブラインドのハンドレンジ表と比べてみます。
スモールブラインドからのレイズに対しては、たとえプロ考案の戦略を使っていても意識的に参加ハンドを広げたほうがいいかもしれません。
初心者向けにできるだけハンドレンジをシンプルにしているので覚えやすいですが、アンダーザガンとスモールブラインドからの参加ハンドは全く違います。それなのにビッグブラインドでアンダーザガンからのレイズとスモールブラインドからのレイズで同じハンドレンジ表を使うのは、厳しいです。
スモールブラインドからのレイズに対して、明らかにフォールドしすぎになっています。
ビッグブラインドのスリーベットレンジです。右側はプリフロップトレーナープロでのハイジャックからレイズがあったときのビッグブラインドのハンドレンジです。
プロ考案の戦略では、本当に強いハンドのみで3ベットします。一方、プリフロップトレーナープロだとAJsやKQoなどかなり強いハンドでコールしたり、あまり強くないK6sで3ベットしています。強いハンドの中に弱いハンドを混ぜ、弱いハンドの中に強いハンドを混ぜることで、相手はこちら側のハンドレンジを予測するのが難しくなります。
マイクロステークスを攻略するためのビギナーズガイドポストフロップ編
こちらではビギナーズガイドポストフロップの内容について、少し補足していきます。オリジナル記事を読むと、何度も同じ内容が繰り返されていて、わかりにくいです。
そこでオリジナルのビギナーズガイドを読む前に、こちらで要点を説明します。この要点を読んだあとビギナーズガイドを読めば、より早く内容を理解することができます。
ポストフロップ編の要点と解説(シングルレイズポット)
ポケットペアやスーテッドコネクターはフラッシュやストレートになると、トップペアやツーペア、3カードを完成させたプレイヤーからたくさんのチップを獲得できるため、フロップ以降に参加者がたくさんいるときに、使い勝手の良いハンドです。
インポジションの場合、すべてのハンドでベットします(相手がフロップでベットしてこなかった場合)そのためポットの3分の2だとリスクが大きくなります。またポジションが有利なため、アウトオブポジションのときに比べてベット額を大きくし、相手にプレッシャーをかける必要がありません。
トップペアなどの強いハンドのときに大きくベットして、ミドルペアやボトムペアなどの弱いハンドで小さくベットをすれば良いのでは?と思う人もいるかもしれませんが、ハンドの強さでベット額を変えると、相手に気づかれます。
ベット額を同じにすることで弱いハンドでも相手がフォールドしたり、強いハンドのときに相手はドローハンドでブラフしてきていると勘違いしてコールしてくれます。
インポジションからプレイしている場合、フロップではすべてのハンドでポットの3分の1をベットします。弱いハイカードでもベットしてください。アウトオブポジションの場合、プリフロップでレイズしてフロップでペアボードもしくはボードにAかKがあるとき、ブラフでポットの3分の2をベットします。
インポジションだとアクションが後なので有利です。そしてプリフロップでレイズして相手がコールした場合、レイズした側とコールした側のハンドレンジを比べると、レイズした側のハンドレンジが強い可能性が高いです。したがってインポジションの場合、フロップは積極的にブラフをします。
もしフロップでボードにAもしくはKのカードがでたときや、ペアボードになったときはオリジナルレイザー側に有利です。というのもAやKはプリフロップにレイズした側に多いからです。たとえば100BBキャッシュゲーム、アンダーザガンのプリフロップでレイズするハンドを見てください。
AやKが含まれるハンドの割合が高いです。
一方、ビッグブラインドからアンダーザガンのレイズにコールした場合、ビッグブラインドのハンドレンジは次のようになります。
もちろんAやKが含まれるハンドは多いですが、それ以外のハンドも多いので全体的に見ると、AやKが含まれるハンドの割合は少なくなります。
つまりフロップでAやKがでるとビッグブラインド側は、すごく不利になります。
フロップがA J 5だとハンド全体でのビッグブラインドの勝率は、たったの37%です。Aの割合が高いアンダーザガンがかなり有利です。そのためアンダーザガンは強いハンドから弱いハンドのすべてでレイズをします。
フロップが7 7 Jの場合をみていきます。ペアボードだと現状、相手が7もしくはJを持っている可能性はかなり低いです。つまりAを持っていれば、ハンドとボードでペアができていなくてもかなり強いと言えます。
そしてプリフロップでレイズした側はAを持っている可能性が高くなるので、同じカードがフロップでボードにでたときに有利になります。したがって、ハンドが強くなくてもフロップでブラフをします。
初心者プレイヤーはトップペアなど強いハンドを持っていると、ついつい相手の大きなベットにもコールしてしまいがちです。NL2やNL5のプレイヤーがリバーで大きなベットをしてきた場合、そのハンドはとても強く、ブラフの可能性は低いです。たとえトップペア、トップキッカーの強いハンドでも素直にフォールドします。
初心者プレイヤーは、相手の大きなベットにトップペアでコールして大きくチップを失うことが多いです。悔しいですが、相手のポットベットやオールインなど大きなベットに対しては素直にフォールドします。
相手のベット額が小さい場合、モンスターハンドだと3倍レイズではなくもっと大きくレイズしたほうが合理的です。たとえばターンでフルハウスが完成しました。ここで相手が1BBのベットをしてきた場合、プロ考案の戦略だと3BBでレイズしますが、ポットに30BBあるならポットの3分の2、つまり20BBのレイズをするほうが利益的です。
戦略に忠実に従うのではなく、例外もあるのだと判断して、相手の予想外のアクションには柔軟に対応していくことも大切です。
ポストフロップ編の要点と解説(3ベットポット)
相手がレイズしてきたらインポジションの場合、メイドハンド以上でコールします。アウトオブポジションならメイドハンド以上でオールインします。
ターン、リバーではメイドハンドとモンスターハンドでポットの3分の2をベットします。
インポジションに比べてアウトオブポジションは、ポストフロップで常に先に行動しなければいけないので不利になります。したがってプリフロップでインポジションなら3ベットにコール、アウトオブポジションなら3ベットに4ベットを返すなど、ハンドの強さは同じでもアクションが変わります。
同じようにフロップでのベット額もインポジションのときに比べて、アウトオブポジションは大きいです。ベット額を大きくすることで相手がフォールドする確率が高くなり、ターン、リバーで正面から戦うのを避けます。
ポジションが有利だとベット額だけでなくブラフするハンドも変わってきます。インポジションはポジションが有利なので、フロップのみすべてのハンドでブラフできます。
アウトオブポジションは、ポジションが不利なのでフロップ、ターン、リバーでのアクションが難しくなります。そのような状況を避けるため、シンプルにオールインをします。
シングルレイズポットでは、モンスターハンドで相手のベットやレイズに対して3倍のベット額を返しますが、3ベットポットではコールします。ただし相手のベット額が3分の1より小さい場合、モンスターハンドと強いドローハンドで相手のベット額の3倍でレイズします(アウトオブポジション、マルチウェイなら4倍)
相手がリレイズしてきたら、強いドローハンドでこちらのレイズの2倍の額ならコールします(100でレイズして相手が200でリレイズした場合はコールできるという意味)モンスターハンドは相手のレイズ額の3倍でレイズを返します。
コールできるベット額は、シングルレイズポットの場合と同じです。
ポーカープロ考案の戦略で本当に勝てる?検証してみた
実際にプロ考案の戦略を使って、オンラインポーカーで勝つことができるのか検証していきます。最初にGGポーカーのマイクロステークス、2NLのラッシュ&キャッシュと通常のテキサスホールデムで検証します。
それぞれ3時間ずつプレイします。2NLのあとに5NLも検証していきます。
2NLのラッシュ&キャッシュで検証してみた
今回は運が良いのか悪いのかよくわからないゲームになりました。
3ベットのハンドレンジが6%とかなり狭いです。そんなプレイヤーの4ベットは危険です。プレミアムハンドしかでてきません。本来ならフォールドしたいですが、プロ考案の戦略だとプレミアムハンドは、プリフロップで相手のレイズに対してレイズし続けます。
相手はクイーンのポケットペア。運よくリバーでエースが出て勝つことができました。
さらにラッキーが続きます。キングのポケットペアのときに、相手はAのポケットペア。最悪の展開ですが、ここでもフロップにKがでて勝ちます。
まだ幸運が続くのか?フロップでフラッシュが完成します。フロップでフラッシュが完成する確率は、約0.19%です。
この幸運を活かすしかない!!
ターンでオールイン対決になりました。相手はフロップの段階でナッツフラッシュを完成させていて絶望的な状況です。もともと70BBしかなかったので助かりました。
最終的には2.14ドルの利益で107BB勝っています。しかし、2回オールイン対決に勝っていることを考えると良い結果とは言えません。
2NLラッシュ&キャッシュの検証2回目
キャッシュ&ラッシュ2回目の検証です。
フロップで運よく2ペアを完成。
ベットをすると相手がレイズを返してきます。2ペアはモンスターハンドなので相手のレイズにはレイズを返します。
そしてそのままオールイン対決に!
相手はダイヤのフラッシュドローです。ブラフレイズは良いですが、そのブラフレイズにリレイズされた時点で負けています。したがって相手はオールイン対決せず、コールしたほうが利益的なアクションと言えます。もしオールインするなら63sという弱いドローハンドではなく、A3sなどダイヤのエースがほしいです。
また相手は63sでプリフロップにリンプインします。もしゲームに参加するならレイズで参加するべきです。私はリンプインしたプレイヤーにプレッシャーをかけるため4BBのアイソレーションレイズをします。それにコールしてフロップに参加したのも致命的なミスです。
そもそも63sはアンダーザガンから参加するべきハンドとしては弱すぎます。アンダーザガンは、まだたくさんのプレイヤーのアクションが残っているので、狭いレンジに絞って強いハンドのみでレイズで参加します。
最終的に1.8ドルの利益で90BB勝ちました。1回目に続き、高いパフォーマスとなっています。
2NLラッシュ&キャッシュの検証3回目
2NLのラッシュ&キャッシュ、最後の検証です。
開始7分でオールイン対決になり、相手のクイーンズに負けます。
今回はさらにバッドビートが続きます。キングスで5ベットすると、相手がコール。
なんと相手はフロップでナッツフラッシュを完成。1回のゲームの中で2回もオールイン対決で負けしてしまいました。
ただし運が味方することも。こちらはAK同士でオールイン対決。通常、引き分けになりますが・・・
ボードにハートが4枚出てくれたおかげで、AKoがAKsに勝ちます。これは奇跡の勝利!
今回は0.97ドル、48.5BB負けました。最終的なラッシュ&キャッシュ2NLの収支は3時間プレイして2.97ドル、148.5BBのプラスです。運も良かったと思いますが、かなり良い結果が残せました。
2NLテキサスホールデムで検証してみた
続いてGGポーカーのノンリミットテキサスホールデムのマイクロステークスで検証していきます。
ボタンからKJsでレイズすると、スモールブラインドのプレイヤーが3ベット。もちろん、ここはコールします。
オープンエンドストレートドローにフラッシュドローというモンスタードローが完成します。アグレッシブに攻めたいところですが、相手からポットオーバーベットのオールインがきます。
ここでコールするために必要な勝率は
必要勝率=コールに必要な金額÷(ポットの総額+コールに必要な金額 )
で計算することができ、必要しょうりつは38%です。
相手がAAからQQのプレミアムハンドとして勝率を計算しましたが、必要な勝率38%より小さく、ここでのオールインは厳しいと言えます。相手がトップスを完成させていた場合でも勝率は30%ぐらいです。
相手がトップペアやフラッシュドローでオールインしていない限り不利な戦いになるのでここはフォールドします。
最終的に1時間プレイして0.04ドル、2BBしか勝つことができませんでした。
2NLテキサスホールデムで検証してみた 2回目
今回はアグレッシブなプレイヤーが多く、プリフロップであまりゲームに参加することができませんでした。またフロップ以降も、相手のベットによってミドルペアなどのそこそこ強いハンドもフォールドさせられます。ジワジワとチップが減っていき、22.5BB(0.45ドル)負けてしまいました。
2NLテキサスホールデムで検証してみた 3回目
いまのところ、テキサスホーデムを2時間プレイして20BBほど負けています。ラッシュ&キャッシュは余裕で勝ちましたが、この戦略はもともとファストフォールド用ではなくノーリミットテキサスホールデムの低いレートを攻略するために作られたものです。
したがって今回は確実に勝っていきたいです。
セットが完成したときにフロップでオールイン対決に!
相手はAをもったフラッシュドローでした。ブラフとしてアグレッシブに攻めるのは間違っていません。運が悪かっただけです。
こちらの勝率は74%、これでチップを2倍に増やします。
AAを持っているときに、3ベットの参加率が0%のプレイヤーが3ベットしてきます。100ハンド以上プレイして初めて3ベットに参加するということは、プレミアムハンドしか考えられません。相手はKKもしくはQQだと思います。
ここはプリフロップでオールイン対決になるな。AAもっているときにオールイン対決はワクワクしかないわ。
オールイン対決になるかと思ったら、左隣のプレイヤーは予想外のフォールド。一方、コールしていたBBのプレイヤーが予想外のコールをしてきます。
フロップでオールイン対決になって、安定の勝利。250BBまでチップを増やします。ちなみに100ハンドで1度だけスリーベットした左のプレイヤーは、ジャックスでした。ナイスフォールドです。
今回はオールイン対決に2回勝ち3.46ドル、173BBも勝つことができました。
ノーリミットテキサスホールデム2NLを3時間プレイした最終的な利益は、3.03ドル(151.5BB)です。
5NLのラッシュ&キャッシュで検証してみた
2NLから1つランクを上げて5NLをプレイしていきます。最大バイインが2ドルから5ドルに変わるので、強いプレイヤーがお小遣いを稼ぐためにプレイしている可能性もあります。
実際にドイツ人プロが考案したこの戦略が通じるのでしょうか?
3ハンド目で運よくモンスターハンドが完成!Aを持っているプレイヤーからしっかりとチップを奪っていきたい!!
フロップでベットすると、レイズが返ってきます。モンスターハンドは相手のレイズに対して3倍のレイズ、もしくはオールインをします。
相手のハンドは6 4oというゴミハンド・・・意味がわかりません。
しかし4のトリップスは、私のツーカードよりも強いです。これでチップのほとんどを失います。
その後もチップは増えることなくジワジワ減り続け、最終的に-5.97ドル(119.4BB)負けてしまいました。
5NLラッシュ&キャッシュの検証2回目
1回目の負けを取り戻すため、頑張っていきます!
トップペアトップキッカーでベットすると、相手からレイズが返ってきます。もし、相手のレイズがこちらのベットの2倍であればコールできます。しかし今回のレイズ額は、こちらのベットの2倍以上なのでフォールドします。
しかしGTOだと相手がこちらのベット額の4倍でレイズを返してきても、97.3%の割合でコールします。フォールドの割合は0%です。
これがこの戦略の弱点です。相手のベットやレイズに対して、この戦略はフォールドしすぎです。
キングス vs エーシーズでチップをすべて失います。
そして、そのあとにクイーンズ vs エーシーズでまたすべてのチップを失います。
相手がAA持っているときにKKとかAK、QQはマジやめてほしい・・・
今回72ハンド、たった15分で9.9ドル(198BB)も負けてしまいました。負けすぎてやる気もでないので、ここで終了します。
5NLラッシュ&キャッシュの検証3回目
すでにNL5を2回プレイして300BB以上負けています。これ以上負けることはできません。
このポーカープロが考えた戦略の弱点は、ミドルペアでフォールドしすぎる点です。現状、9のポケットペアはかなり強いハンドです。それなのに相手のベットに対して無条件でフォールドしなければいけません。
現状9のポケットペアのエクイティは、相手のベット額の大きさで変わりますが50%近くあります。
GTOで確認しても、ポットの75%ベットだと99%以上の割合でコールします。もしポットオーバーベットだとしても50%以上の割合でコールする必要があります。
今回は300ハンドほどプレイして0.9ドル(18BB)勝ちました。3回目にして、やっと小さな勝利を獲得します。
5NLラッシュ&キャッシュの検証4回目
検証2回目のとき15分しかプレイしていなかったので、今回は特別に4回目の検証もします。この4回目で勝てば、プロ考案の戦略が5NLでも通じるかもしれない、そんな期待をこめてプレイします。
3ベットポットでフラッシュドローが完成します。フラッシュドローはメイドハンドなのでフロップ、ターンとベットします。
ポットの75%ベットしますが、相手はコール。残念ながらリバーでフラッシュは完成せずにチップを大きく失います。
プレミアムハンドQのポケットペアが来ました。ターンでKが出たのでストレートドローが完成します。ただし相手がKを持っていれば、Qのポケットペアが負けてしまうので良くないカードです。
ターンでベットすると、相手がレイズしてオールイン対決に。相手のツーペアに負けてしまいます。
今回の検証では5.82ドル(116.4BB)負けました。ラッシュ&キャッシュ4回の検証では、合計20.79ドル(415.8BB)も負けています。1時間あたり平均130BB以上の負けというひどい結果です。プロの戦略も5NLだと全く通じないという悲しい結果になりました。
やはりお金のかかった勝負だと簡単に勝てるものではありません。
5NLノンリミットテキサスホールデムで検証してみた
5NLはアグレッシブなプレイヤーが多く、同じテーブルに3ベット率の高いプレイヤーが2人いました。ボタンやスモールブラインドのポジションのときにレイズすると、頻繁に3ベットを返されてフォールドしてしまいます。
一方、なぜかKKやAAを持っているときにレイズするとみんなフォールドしてチップを稼ぐことができません。特に見せ所もなく2.04ドル(40.8BB)の負けです。
5NLノンリミットテキサスホールデムで検証2回目
5NLでは負け続けて全く勝てないこの戦略、今回も負けてしまうのでしょうか・・・
こちらが運良くトリップスを完成させたときに、相手がミドルペアでブラフキャッチしてくれます。これでチップを増やします。
右隣に参加率60%を超えるプレイヤーがいたので、そこそこ強いハンドでもフォールドさせられることが多かったです。QJoでフォールドしていますが、私のハンドのほうが強いはず。
参加率がとても高いプレイヤーが多いとき、プロ考案の戦略は弱いです。というのもブラフでの3ベットレンジがないからです。もし参加率が50%を超えるマニアックなプレイヤーがいるときは、もっと3ベットでの参加率を増やし相手にプレッシャーをかけていく必要があります。
今回は55分ほどで88ハンドプレイし、2.88ドル(57.6BB)勝ちました。
5NLノンリミットホールデムで検証3回目
前回は5NLでそこそこ勝てました。今回も勝つことができれば5NLでも、この戦略は使える可能性は少しあります。
最初120BBぐらいまでチップを増やしますが、トップペアが完成したときに相手がツーペアを完成させていてチップを大きく失います。42sの弱いハンドで大きくチップを失うのはくやしい!
AQoで相手の3ベットに対してポジションが良くないのでブラフ4ベット。相手はフォールドするかコールするのか、かなり悩んでいます。
と思ったら謎のオールイン。もちろんブラフ4ベットなので、これはフォールドします。
今回は51分105ハンドプレイして、0.82ドル(16.4BB)負けました。
ポーカープロ考案の戦略まとめ(長所と短所)
今回、プロ考案の戦略を実際に使って12時間プレイしました。
- 2NLラッシュ&キャッシュ 2.97ドル(148.5BB)の勝ち
- 2NLテキサスホールデム 3.03ドル(151.5BB)の勝ち
- 5NLラッシュ&キャッシュ 20.79ドル(415.8BB)の負け
- 5NLテキサスホールデム 0.02ドルの勝ち
上の結果から判断すると、2NLではプロ考案の戦略で稼ぐことができますが5NLだと厳しいと言えます。実際、私も5NLをプレイしていて、この戦略は通用しないなと思いました。
なぜ通用しないと感じたのか、この戦略の長所と短所を書いていきます。
長所はポーカー初心者でもフロップでブラフをすることができる点です。
初心者はブラフに慣れていない人が多いです。私もポーカーを始めたばかりのとき、全くブラフをしませんでした。そもそも、どんなときにブラフをすればいいのかわかりません。
しかし、この戦略を使うことでたくさんブラフをすることができます。どんなボードやポジションでブラフをするべきか学ぶこともできます。
さらにハンドレンジについても学べます。一般的なハンドレンジはアンダーザガンからスモールブラインドまでで5つ、スリーベットのハンドレンジやビッグブラインドのハンドレンジまで入れると何十もあり、覚えるのがすごく大変です。
しかし、このポーカー戦略だと覚えるハンドレンジはたったの8つです。ただし3ベットレンジにライト3ベットが少ない、ビッグブライドのレンジが狭すぎてカットオフからスモールブラインドのレイズに対してフォールドしすぎになるなどの弱点があります。
もう一つ長所を上げるとすれば、チップをすべて失うのを防いでくれます。初心者のときはトップペアができたとき、相手のレイズやベットにどこまでもコールしてツーペアやスリーペアに負け、すべてのチップを失うという経験を何度もします。
ただし、この戦略に従えばトップペアでも相手のレイズやリバーでのポットベットにはフォールドします。トップペアでフォールドするのは悔しいですが、状況によっては強いハンドでフォールドすることも大切です。
この戦略の短所は、アグレッシブなプレイヤーに弱いという点です。プリフロップの参加率が高く、フロップ以降もかなりの頻度でベットするプレイヤーがテーブルに2人以上いる場合、プリフロップでのゲームの参加率が下がります。そしてフロップに参加したとしても、相手がベットすればトップペアをのぞくミドルペア、ボトムペア、ポケットペアはフォールドするのでフォールドし過ぎになります。
パッシブなプレイヤーには強いですが、プリフロップでレイズや3ベット、フロップでベットやレイズを頻繁にしてくるアグレッシブなプレイヤーがいる場合、勝つのが難しいです。常にエクスプロイトされている状態になります。
本来であればアグレッシブなプレイヤーに対して、ミドルペアやボトムペアで簡単にフォールドしてはいけません。コールやレイズを返していく必要があります。その点、このポーカー戦略はパッシブなプレイヤーを想定して作られているため、アグレッシブなプレイヤーのベットやレイズに簡単にフォールドしすぎるという弱点があります。
あと3ベットレンジが狭すぎます。ほとんどブラフで3ベットしません。したがってハンド運が良くないと3ベット率がかなり低くなってしまいます。
200ハンドぐらいしても3ベット率が2%から4%ぐらいです。しかしキャッシュゲームでの3ベット率の適正値は6%〜10%です。3ベット率が低いと、実際に3ベットしたときにコールしてほしいハンドでコールしてもらえません。せっかくAAやKKが来ても、相手が簡単にフォールドします。
フロップ以降、コールされたときも戦いやすいよう強いハンドのみで3ベットしていますが、GGポーカーのように相手の3ベット率が見えてしまう場合、3ベット率が低いと簡単にフォールドされてしまいます。
また相手の3ベットに対しても降りすぎです。初心者ポーカープレイヤーが安全に戦えるよう、多くのハンドで3ベットされたらフォールドしますが、NL5だとプリフロップで3ベットをするプレイヤーも多いので、もっとコールしていく必要があります。
相手の3ベットにフォールドばかりしていると、簡単にエクスプロイトされてしまいます。
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