ポーカーでは一度冷静さを失ってしまうと、本来の実力を発揮できずにミスを連発してしまうことがあります。この感情的に乱れた状態(ティルト)だとプレイが極端になりやすく、そのパターンを見抜けば大きなアドバンテージを得られます。特に大きなポットを失った直後、相手はティルトになりやすく、そこをうまく突いて利益を最大化できます。
以下では、初心者にもわかりやすいよう、よくあるティルトのパターンを4つ紹介し、それぞれの心理状態・ありがちなプレイ・有効な対策を解説します。

オレも大きく負けた後は、フォールドするべきところでコールしてしまうし、チェックよりもベットが増えるわ

ヒカルくんは冷静じゃないとき、損を取り戻そうとオールインも増えるよね
大負けして守りに入るプレイヤー
大きなポットを負けた後、ブラフが減り強いハンドでしか参加しなくなるプレイヤーがいます。このタイプは「もうこれ以上チップを失いたくない」という恐怖心で弱気な状態です。
参加するハンド数が減り、多少強いハンドでもすぐフォールドします。
有効な戦略
弱気な相手にはブラフを交えた強気なプレイでプレッシャーをかけるのが有効です。相手はこれ以上チップを失いたくないという恐怖からこちらのベットに耐えられず、簡単に降りてくれます。
ただし、相手のハンドレンジはせまく強いハンドでしかゲーム参加してこないので、ブラフのタイミングと頻度を見極めて行いましょう。具体的には、相手が弱気なアクションを見せたときや、こちらのポジションやハンドレンジが有利なときに積極的にブラフをして相手に圧力をかけます。
負けることにおびえている相手から、積極的にポットを奪っていきましょう。
負けを取り返そうとするプレイヤー
大きなポットを失ったショックで「早く取り返したい」と焦り、多くのゲームに参加してしまうプレイヤーもいます。負けの悔しさから前のめりになりすぎ、参加率が急激に上がるのが特徴です。
チャンスを追い求めてコールをしすぎる状態で、相手のベットに対して「もしかしたら勝てるかも」と無理にコールしてくることが多いです。
有効な戦略
このタイプの相手には、ブラフをしてはいけません。なぜなら、相手は少ないチャンスでもコールしてくるのでブラフが通じません。強いハンドのときに大きくベットしてポットを膨らましていきます。
また相手が弱いハンドでコールしてくる状況だとシンバリューベットが有効です。ミドルペアや弱いトップペアでベットしても、相手はもっと弱いハンドでコールしてくれます。
負けを取り返そうとコールの割合が増えているプレイヤーは積極的にブラフキャッチしてくるので、ドローが失敗したようなボードで積極的にバリューベットをして相手からチップを奪っていきましょう。
感情が爆発し超アグレッシブなプレイヤー
勝てる勝負で運悪く負けて理性を失うプレイヤーがいます。このようなプレイヤーはいつも以上にアグレッシブなプレイをしてきます。例えば、ほぼ毎回レイズや3ベットを仕掛けたり、大きなブラフを連発してきます。
冷静な判断ができず結果としてプレイが雑になり、ハンドの強さに関係なく突っ込んでくる超ルースアグレッシブなスタイルが特徴といえます。
有効な戦略
このような攻撃的すぎるティルトに対しては、こちらは決して感情的に対抗せず冷静さを保つことが重要です。相手のペースに乗せられてこちらまで無理なブラフや広いハンドレンジで参加すると、思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。こちらは冷静なままで、相手の攻撃性を利用して誘い込む戦術が有効です。
具体的には、自分のハンドレンジをいつも以上にタイトに絞り、強いハンドが入ったときに積極的にコールやリレイズして相手からチップを引き出します。相手はさほど強くないハンドでも強気に突っ込んでくるので、本当に強いハンドのみで参加すれば簡単に勝てます。
例えば、相手が毎回のように大きなベットを仕掛けてくるなら、こちらはエースヒットやオーバーペア以上のハンドが来るのを粘り強く待ち、強い役ができたときにコールしておけば、相手がフロップ・ターン・リバーと大きくベットして勝手に自滅してくれます。
特定の相手にムキになるプレイヤー
敵対心や悔しさからある相手に対してのみ冷静さを欠いてしまうティルトもよく見られます。
例えば、大胆なブラフで強いハンドを降ろされたときやリバーでまくられて負けたときなど、その相手プレイヤーに対して「今度は絶対負けたくない」「やり返してやる」とムキになってしまうことがあります。特定の相手への敵意が原因で理性的な判断ができなくなり、ポーカーの目的がチップを増やすことではなく「その相手を打ち負かすこと」になってしまっているのが問題です
その結果、特定の相手にだけベットやレイズ、3ベットをたくさん仕掛けたりフォールドするべきハンドでコールしたりします。視野が狭くなり「とにかくあいつからチップを奪いたい」という一心で突っ込んでくるため、客観的に見れば明らかに間違ったミスプレイを連発しがちです。
有効な戦略
このような復讐モードの相手と対峙する際には、相手の感情に巻き込まれず常に平常心で対応することが肝心です。もしあなたが標的にされていると感じたら、まずはブラフを減らします。相手は怒りやプライドから意地でもコールしたりレイズしてくる可能性が高く、下手にブラフをしても通じにくいです。
代わりにバリューベットを増やします。まずプリフロップでのハンドレンジをせまくし、優位なハンドでフロップを戦えるようにします。そして強い役ができたら遠慮せず大きめのベットやリレイズでポットを膨らましていきます。
相手は感情的になっているので、こちらの強さなどお構いなしに強いアクションで対抗してきます。もし相手がレイズはしてこないけど、こちらがチェックをしたら大きくベットしてくるような相手なら、強力なハンドが入った際にはチェックやコールで相手にブラフをさせて罠をはるのも効果的です。
結論:ティルトを見極めて優位に立とう
ティルト状態にあるプレイヤーは、感情に振り回されるあまり極端な戦略上の偏りを見せます。ここで紹介したように「怖がって降りすぎる」「焦ってコールしすぎる」「怒って攻めすぎる」「特定の相手に固執しすぎる」といった典型的なパターンにハマっていれば、それぞれに合わせたエクスプロイト戦略で対処することで大きな利益を上げるチャンスです。
大事なのは、相手の視野が狭くなっていることに気づき、こちらは広い視野で合理的にプレイしつつ相手をエクスプロイトする方法を考えることです。そうすれば、感情に飲まれている相手から簡単にチップを奪い取ることができるでしょう。
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