エムホールデムをプレイしていて感じるのが「コールするやつ多すぎじゃね?」です。3ベットしても普通にみなさんコールします。それがレイズ額の4倍、5倍、6倍でも気にしません。しかも微妙なハンドでコールしてきます。
3ベットしてもフォールドしないならA5sなどブラフ系の3ベットは意味がありません。一方、プレミアムハンドで大きく3ベットすることが利益的になります。そこで今回は、「エムホールデム、プレミアムハンドだけでゲームに参加しても勝てる説」を検証したいと思います。
プレミアハンド検証の条件について
参加するハンド、ベット額や3ベット額についての条件を決めていきます。ただし、これらの条件は検証中に変更する可能性があります。
🔍参加するハンドの条件
今回プレイに参加するのは、「プレミアムハンド」+おまけです。
プレミアムハンドは通常、AA, KK, QQ, JJ, AKです(JJを入れない人もいます)ただし、これだと参加率が約3.02%とほとんどゲームに参加することができません。そこでTTとAQも足すことにしました。これで参加率が約4.7%で上がります。
💰プリフロップのベットサイズ
プリフロップのオープンレイズ額は4BBにしました。エムホールデムのプレイヤーは全体的にコールが多く、レイズ額が小さいと3人、4人とついてくるケースが非常に多いため、レイズ額を大きめにして参加者を絞る狙いです。
※最強ハンドAAは複数相手でも十分勝率が高いので3BBにするかもしれません
🔁3ベットのサイズの設定
誰かが先にレイズしていた場合は、基本的にその額の4〜7倍くらいで3ベットします。周りの人数が多いときは、それだけコールされやすくなるので、ベット額も少し大きめにして人数を絞るのが狙いです。
あと、ハンドの種類によっても少し調整して、たとえばAKoやAQoみたいに1対1で勝負したい手は強めにベットします。逆にAAとかスーテッド系のハンドなら、人数が多くても戦えるので、ちょっと控えめに3ベットするかもしれません。
⏱️テーブル滞在時間
プレイ中にフォールドばかりしていると上手なプレイヤーには簡単に気づかれてしまいます。こちらのハンドレンジが超タイトだとバレてしまうと、こちらのオープンレイズや3ベットに対して簡単にフォールドされます。
そこで20ハンドから40ハンドプレイしたら強制的にテーブルを移動します。
テーブル選び
いくら強いハンドだけで参加しても、相手のスタックが少なければ意味がありません。たとえば、周りのプレイヤーが80万、100万、150万といった感じでみんなスタックが浅いテーブルなら、その時点ですぐに抜けます。
あと、3ベットしても全員がすぐにフォールドするようなテーブルだと、プレミアムハンドを待ってても仕方ないので、こういうテーブルもすぐやめます。
さらに、プリフロップでフォールドが多いテーブルは、3ベットに対してコールがもらえなさそうなので、2回目の検証からはそういうテーブルは避けるようにしました。
エクスプロイト戦略について
他のことをしながらプレイしていたので、他のプレイヤーの参加率やベット頻度、ベット額の大きさ、プレイスタイルなど全くわからない状態でプレイしています(良いハンドが来たときだけ携帯画面みてました)したがって相手をエクスプロイトする戦略は全く使うことができません。
例外事項
プレミアムハンドが利益的か正確に検証したいのですが、参加したほうがお得かなというポジションやハンドについては一部例外的に参加していきます。
※ここで発生した利益、損失については別計算をしていきます。
BBは参加
エムホールデムはリングゲームでも各プレイヤーがアンティ0.25BBを支払う必要があります。BBでフォールドしすぎるのは、明らかに利益的ではないのでBBのみ広いハンドレンジで参加します。
ポケットペアとスーテッドコネクター、Axsの扱いについて
エムホールデムはディープスタックの参加者が多いです。したがってトップペアでMポイントを稼ぐというよりは、ナッツ級ハンド(ストレートやフラッシュ)でMポイントを稼ぎたいです。
したがってポケットペアとスーテッドコネクター、Axsも参加していきます。AxsはA♠2♠、 A♦9♦のようなナッツフラッシュを作れる可能性のあるハンドです。
※検証2回目からKQもプレイに加えました
実際にエムホールデムで検証してみた
約50ハンド分のプレミアムハンドで検証していきます。1回の動画で約10回分のプレミアムハンドを収録しています。
検証1回目
合計196ハンドをプレイして5,285,000mポイントのプラスになりました。この中でプレミアムハンドは11ハンドプレイしてプラス6,365,000mポイントです。196ハンド分のブラインド、アンティの合計は1,960,000mポイントなので、実質、プレミアムハンドだけプレイしたら 4,405,000mポイントの利益となりました。
ポケット、スーコネ、Axsでの収支はプラス1,770,000mポイントです。ビッグブラインドでの収支はマイナス1,430,000mポイントです。ビッグブラインドで勝つのは難しいと言われていますが、予想以上にビッグブラインドから参加することでmポイントを失っていました。
参加せずに単純にフォールドしているだけならマイナス80万mポイントです。ビッグブラインドはブラインド費を支払っているので、広いハンドレンジで参加する必要がありますが、コールすることで利益的になっているとは言えません。
検証2回目
合計170ハンドをプレイして8,760,000mポイントのプラスになりました。この中でプレミアムハンドは10ハンドプレイしてマイナス445,000mポイントです。プレミアムハンド全体での勝率は高かったのですが、クイーンズのときマイナス500万となってしまい、この1回の勝負が全体への収支に大きな影響を与えています。
この170ハンド分のブラインド、アンティの合計は約1,700,000mポイントなので、もしプレミアムハンドだけプレイしたら2,145,000mポイントの負けとなりました。
ポケット、スーコネ、Axsでの収支はプラス10,465,000mポイントです。プレミアムハンドだけでなく、これらのハンドに参加することで大きくmポイントを稼ぐことができました。
ビッグブラインドでの収支はマイナス915,000mポイントです。単純にフォールドしているだけならマイナス70万mポイントなので、ビッグブラインドからゲームに参加することで収支が悪化しています。微妙なハンドは潔くフォールドしたほうがいいのかもしれません。
検証3回目
合計291ハンドをプレイして8,290,000mポイントのプラスになりました。この中でプレミアムハンドは13ハンドプレイしてプラス1,880,000mポイントです。
この291ハンド分のブラインド、アンティの合計は約2,910,000mポイントなので、もしプレミアムハンドだけプレイしたら1,030,000mポイントの負けとなりました。
ポケット、スーコネ、Axsでの収支はプラス5,110,000mポイントです。
ビッグブラインドでの収支はプラス2,240,000mポイントです。はじめてビッグブラインドからの収支がプラスになりました。
検証4回目
合計234ハンドをプレイして-2,265,000mポイントのマイナスになりました。この中でプレミアムハンドは11ハンドプレイしてマイナス-2,005,000mポイントです。AAのときに4510000mポイントのマイナスのとなり、これが終始結果に大きな影響を与えています。
この234ハンド分のブラインド、アンティの合計は約2,340,000mポイントなので、もしプレミアムハンドだけプレイしたら4345000mポイントの負けとなりました。
フロップでセットができる確率は約11.8%です。10回に1度の割合でAAを持っているときでも不幸は起きます。フロップで200万のポットをAAで争うのは本来はかなり有利な状況です。
200万のポットに対して勝率80%あります。プリフロップでのエクイティだけで計算するとポット200万に対してAA側の取り分は160万になりますが、実際にはフロップ、ターン、リバーとまだ3回アクションが残っています。AAのEQR(エクイティ実現率)は高く88のEQRは下がります。
というのもポケットペアの88ではセットができなければフロップからリバーまでのアクションに耐えられないからです。

難しいことをブツブツ言ってるけど、何が言いたいかというと運が悪かったということや!

ヒカルくん、悔しかったんだね
ポケット、スーコネ、Axsでの収支はプラス1,700,000mポイントです。ビッグブラインドでの収支は280,000mポイントのマイナスです。
検証5回目
検証5回目は『コーラーが多いならオープレレイズに大きく3ベットして稼げるんじゃね?』という目的をぜんぜん達成することができませんでした。唯一できたのがリンプに対してレイズを返しただけです。
合計252ハンドをプレイして1,105,000mポイントのマイナスになりました。この中でプレミアムハンドは10ハンドプレイしてプラス2,845,000mポイントです。
この252ハンド分のブラインド、アンティの合計は約2,520,000mポイントなので、もしプレミアムハンドだけプレイしたらプラス325,000mポイントです。3ベットできなかった状況でも、しっかりと収支をプラスに持っていくことができました。
ポケット、スーコネ、Axsでの収支はプラス1,495,000mポイントです。
ビッグブラインドでの収支はマイナス5,326,000mポイントです。
検証結果まとめ
今回、エムホールデムで合計1,143ハンドをプレイし、実際の収支は約1,900万mポイントのプラスでした。
プレミアムハンドだけでの収支は約860万mポイントのプラス、手数料(ブラインド・アンティ)の合計は約1,143万mポイントです。したがって企画の目標であるプレミアムハンドだけ参加して勝つということは達成することができませんでした。
ただしAAで500万負けしたり、検証5回目で全く3ベットできなかったりしたことを考えるとプレミアムハンドだけ参加しても運が悪くなければ勝つことができるのではないでしょうか。
スーコネやAxs、ポケット系でも約2,050万mポイント稼げており、やはりストレートやフラッシュ、セット狙いの投機的なハンドはエムホールデムで大活躍します。
一方、ビッグブラインドでの収支は約570万mポイントのマイナスになっていますが、そもそもビッグブラインドで収支をプラスに持っていくのはとても難しいポジションなので仕方ありません。
おすすめのテーブルはある?
プリフロップからコールする人が多くて、ポストフロップ以降もベット、コールとワチャワチャやっているテーブルでおすすめ。プリフロップでフォールドするプレイヤーが多いテーブルはあまりおすすめしません。あと3ベットにみんなフォールドするテーブルも駄目です。すぐに退出しましょう。
たとえば次のようなテーブルがおすすめです。3BBのオープンレイズに5倍、6倍の3ベットを返しても普通に弱いハンドでコールしてくれます。
今回プレイしていて3ベットが小さいプレイヤーが多いなと気づきました。相手のオープンレイズが6万mポイントで12万だったり18万mポイントぐらいで3ベットする人がほとんどです。
とりあえず最初の3枚のカードが見たいマンが多いときは、プレミアムハンドで相手のレイズ額の5倍、6倍と大きな3ベットをすることでmポイントをしっかりと稼ぐことができます。投資をしている方ならわかると思いますが、『勝てる可能性の高い勝負でしっかりと投資する(ベットする)』というのは合理的なアクションと言えます。

エムホールデムでは弱いハンドでも平気で大きなベットにコールするプレイヤーがたくさんいるぞ。そんなプレイヤーをエクスプロイトするための戦略だ!ぜひこのポーカー戦略を使ってmポイントを稼いでや!

逆に言えば、変なハンドで大きな3ベットにコールしたらダメってことだよね
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