エドワードソープと言えば、カードカウンティングの手法を開発したとして有名ですが、そんな彼には裏話がありました。
今日はその裏話を紹介したいと思います。まずはエドワードソープが開発したカードカウンティングができるまでの歴史を振り替えります。
カードカウンティングの手法が開発されるまで
カリフォルニア大学で数学の教授をしていたエドワードソープは、数学専門誌に載っていた『ブラックジャックの最適戦略』という論文を読み、実際にどらくらい勝つことができるのか試してみたくなりました。
そこでクリスマス休暇にラスベガスに行き、ブラックジャックで遊ぶことにします。
今までギャンブルをしたことのないエドワードソープにとって戦略をすべて覚えることは不可能です。なのでメモを見ながらブラックジャックをするのですが、そんな彼が珍しかったのか、たくさんの観客が集まりました。
とくに勝ち続けているわけでもなかったので、メモを見ながらプレーするエドワードソープに対してカジノ側もそれほど気にすることはありません。
大学に戻ったエドワードソープは大型コンピューターを使いながらブラックジャックでの勝率が上がる方法を計算します。その結果、数字の3、4、5、6、7が少なければ少ないほど、プレーヤーにとって有利だということがわかりました。
『ブラックジャックの最適戦略』では、場に出たすべてのカードを記憶しなければならず、現実的に運用するのは不可能でした。しかし、エドワードソープの方法は3、4、5、6、7のカードに注目するだけです。あとはプレーヤーの有利な時にベット額を大きくし、プレーヤーが不利であればベット額を小さくします。
この方法が今のカードカウンティングと呼ばれる手法の基礎となります。
10カウント法の登場
この手法は特に5が場に出るとプレーヤーの勝つ確率が高くなるため『5カウント法』と呼ばれました。
アメリカの数学学会誌でこの5カウント法について発表すると、エドワードソープはあちこちのメディアで話題になり、ブラックジャックの必勝法が見つかったと勘違いする人まで現れます。
この『5カウント法』を利用すれば確かにプレーヤーが有利になります。ですが一番最適なカード状況でも、プレーヤーが3.58%有利になるだけです。運が悪ければ簡単に負けてしまう数値です。
とっても慎重な数学者エドワードソープは、この『5カウント法』だけでは勝てないかもしれないと判断します。そこでブラックジャックの手法について、さらに研究し『10カウント法』という新しい手法を発見します。
この『10カウント法』では場に出た1から9までの枚数と10以上の枚数を把握して、その割合からどれくらいプレーヤーに有利な状況か調べる方法です。
場に残っているカードについて『1から9までのカードの総数』÷『10以上のカードの総数』を計算した時に、この数値が小さければ小さいほどプレーヤーが有利になります。
当時、この方法を使えば一番プレーヤーにとって良い状況だと、10%近く有利になりました。そんな状況なら迷わず最大ベット額で勝負したいですね
カジノで大勝ちするも・・・
『10カウント法』を開発したエドワードソープは二人の支援者と一緒にカジノに行きます。
実際にそこで『10カウント法』を使い1万ドル以上かせぐことができました。でも、勝ち続けるとカジノ側にも目をつけられます。
ブラックジャックで荒稼ぎした次の日、エドワードソープのグループが2000ドル分のお金をチップに変えてブラックジャックを始めようとしたらマネージャーが飛んできて、ディナーショーに招待させてほしいとお願いにきました。
これはディナーショーの券を無料でやるから、うちのカジノでプレーするのはお断りという意味です。仕方がないので、エドワードソープのグループは他のランドカジノに向かいます。しかし、すでにエドワードソープのグループは他のカジノでも警戒されていて、カジノ側も対策をとってきました。
まずベット額を変えてきたとき、カードがたくさん残っていたとしてもディーラーはシャッフルします。さらにエドワードソープがくしゃみをしたり、少し鼻をかいただけでカードをシャッフルしました。
これではカードカウンティングを使うことができません。結局、カジノ側の対策でカードカウンティングは使えず、あきらめて帰ることになります。
それでもカジノ側が対策する前にすでに1万ドル以上勝っています。なので、カードカウンティングは当時、ブラックジャックの必勝法として考えられ、多くのギャンブラーがこの方法を利用しました。
ここまでが一般的なエドワードソープのカードカウンティング関する話です。しかしこれには実は裏話があります。
実はカードカウンティングは使えなかった?
この話には裏があってスカーンというトランプ界の大物によると、カードカウンティングは機能していなかったとのことです。
スカーンは後日、エドワードソープの支援者である二人に接触し、一人から話を聞くことができました。
この二人はキューバのカジノで荒稼ぎしたことのあるプロギャンブラーでした。彼の話によると、カードカウンティングではあまり勝つことができず、結局、自分たちのやり方で大きく勝っていたとのことです。
この二人はキューバのカジノで荒稼ぎしたとき、ディーラーを買収していました。なので、自分たちのやり方というのは、ディーラーを買収して勝つ方法だったのではと言われています。実際、後援者の一人がディーラーを買収した容疑で逮捕されています。
エドワードソープが、カードカウンティングを使って荒稼ぎしたという話は1度のみです。このあと、『10カウント法』を使って、他のカジノで荒稼ぎしたという話を聞きません。
なのでエドワードソープ本人が『10カウント法』でお金を稼ぐことは確率的に厳しいと気づき、ブラックジャックでお金をかけるのをやめたのかもしれません。
その一方、エドワードソープは株式市場のオプション取引に目をつけました。ヘッジファンドのお金を運用していたエドワードソープは、こちらで毎年利益をあげていたようです。数学者としてもすごいですが、お金を稼ぐセンスは数学者の中でもずば抜けていますね。
結局、ギャンブルの必勝法はギャンブルをしないことやな
確率的にギャンブルで勝つのは無理。勝つためには誰にもばれずにイカサマするしかないね。
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