ルーレットの勝率を上げてくれる戦略はいろいろとありますが、時々「新しいルーレットの必勝法」がソーシャルメディアで紹介されます。
短時間で信じられないほどの儲けを生み出せるなどの宣伝文句があれば、インターネット上では怪しげなコメントとともに、すぐに噂が広まります。そのうちの1つが、今回紹介する「ルーレット666戦略」です。
ルーレット666戦略の由来は、ルーレットに使われる数字の1から36までを全部足すと666になるからです。666と同じ数字が並ぶと、大当たりがあたったような、なんだかラッキーな気分になります。しかし「ルーレット666戦略」は、まともなギャンブラーには相手にされない戦略です。
なぜ「ルーレット666戦略」で勝てないのか、その理由を紹介します。
簡単にいうと、この戦略の欠陥は次の4つです。
- 期待値がマイナスである
- ポジティブな考え方に依存しすぎている
- 長期的視点が欠けている
- この戦略の「滅多にない例外」はわりとよく起こる
ルーレット666戦略について
なぜ使えない戦略なのかを詳しく解説する前に、そもそもどういう戦略なのかを先に説明します。基本的な考え方は、ほとんどすべての数字にベットする、というものです。そして、ほとんどすべての数字に賭けるので、勝てる確率も高まるだろうというわけです。
以下、いちばんよく使われるヨーロピアンスタイルのルーレットを例に説明していきますが、アメリカンやフレンチでも考え方は同じです。
この戦略では、4つの数字以外、すべての数字にベットします。ベット金額は1ラウンドあたり最低66ドルですが、66の倍数(132ドル、198ドルなど)でも構いません。もし倍数にしたなら、ベット金額も同じ倍数分、上げてください。
ルーレット666戦略の基本ルール
1 赤に36ドルをベットする
2 次の2組の数字に4ドルずつ、計24ドルをベットする
0と2、8と11、10と13、17と20、26と29、28と31
3 次の中から好きな数字を3つ選んで、それぞれ2ドルずつ、計6ドルをベットする
4、6、15、 22、 24、 33、35
こうすることで、ベット金額の合計は66ドル、ベットしなかった数字は4つだけになります。
さて、その結果どうなるでしょうか?
もし、ベットしなかった4つの数字のうちの1つに玉が入れば、ベットした66ドル全てを失います。それ以外の結果が出た場合は、トータルで6ドルの儲けとなります。
ルーレットの払戻金
「ルーレット666戦略」の欠陥について説明する前に、ルーレットの払戻金の仕組みについて紹介しておきます。
ルーレットには大きく分けて3つのスタイルがあり、いちばん有名なのはアメリカンスタイルです。1から36と0、00の計38のポケットがあり、ハウスエッジの平均は5.26%です。
次に有名なのがヨーロピアンスタイルで、1から36と0の計37のポケットがあり、ハウスエッジの平均は2.7%です。
最後のフレンチスタイルは、ポケットの数はヨーロピアンと同じ37ですが、ハウスエッジの平均は1.35%です。
「ルーレット666戦略」で勝てない理由
ルーレットの基本的な仕組みがわかったところで、いよいよ「ルーレット666戦略」で勝てない理由を説明します。
この4つの欠陥があるため、勝率89%にもかかわらず負けてしまいます。
1、期待値がマイナスである
端的に言うと、儲けるより損をする確率の方が高いです。このことを証明するため、ルーレットを37回まわして、すべてで別の番号に玉が入ったと仮定します。
まず、ベットしなかった4つの番号に玉が入った場合、それぞれ66ドルの損失なので、4回×66ドル=計264ドルの損失です。
一方、ベットした番号は全部で33個あり、1回あたり6ドルの儲けなので、33回×6ドル=計198ドルの儲けです。
比べると、損失264ドルに対して儲け198ドルなので、トータルでは66ドルの損失となります。
2、ポジティブな考え方に依存しすぎている
この戦略を使う人は、「たった4つの番号なんだから、そんなところにボールは入らないだろう」と考えます。何せ、全部で37のうちの4つですから。
しかし、実際には短時間で入りそうにない4つの番号の1つに入ってしまうのです。斬新な戦略を検討するうえでは、こうしたあまり起こりそうにないことをきちんと考慮に入れるのが鉄則です。
3 長期的視点が欠けている
2番目の続きになりますが、ルーレットをまわす回数が増えるほど、「大数の法則」に従って、それぞれの番号に玉が入る確率は、同じに近づいていきます。例を挙げて考えてみます。
コインを10回投げた時に、確率的には表が5回、裏が5回出ると予想するのが一般的な感覚ですが、実際に出たのが表8回・裏2回や、表7回・裏3回だったとしても、大して驚くようなことはないでしょう。なぜなら10回しか投げていないからです。
ところが1万回投げた時の結果だとしたらどうでしょう。もし実際に出たのが表8000回・裏2000回だったとしたら、かなり驚くのではないでしょうか。
この考え方を「ルーレット666戦略」に当てはめると、ルーレットをまわす回数が増えるほど、すべての番号に玉が入る確率が同じに近づき、期待値にしたがって損失の可能性も高くなっていくということになります。
4 この戦略で「滅多にない例外」としていることはわりとよく起こる
ベットしなかった4つの番号に玉が入るのは「滅多にない例外」だとしています。しかし実際にこれが起きる確率は、およそ10.8%です。すなわち、10回に1回以上の確率で66ドルを失うわけです。これでは「滅多にない例外」とは言えないでしょう。
まとめ
基本的にどんな戦略でもルーレットのハウスエッジを上回ることはできません。なのでインターネットで読者を惹きつけるような宣伝文句の戦略には、注意が必要です。
たとえば、こんな感じ。
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中には映像を使って、いかにも素晴らしい必勝法であるとアピールするものもあります。ただし、どんな戦略でも短期間であれば、コインを10回投げて表が8回でるように大きな利益を得る可能性があります。しかしその戦略が本当に有効なのかどうかは、10万回プレイした時の確率をもとに評価するべきです。
甘い言葉には気をつけなければいけません。
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