コードネーム007ことジェームズ・ボンドといえば、誰もが知っているイギリスのスパイです。
ジェームズ・ボンドはたくさんの小説や映画に登場する有名なキャラクターですが、熱心なギャンブラーとしても知られています。特に好きなゲームはバカラとポーカーで、映画『カジノ・ロワイヤル』では不利な状況をものともしない達人技を見せてくれました。
そんなボンドですが、小説版の『カジノ・ロワイヤル』ではルーレットもプレイしていて、自ら考案した戦略を使って鮮やかな逆転勝利を収めています(他にもラブシェール法を使っています)
小説の『カジノ・ロワイヤル』が発表されて以降、このボンドが考案した戦略はルーレット・プレイヤーの間で評判になり、今では「ジェームズ・ボンド法」と呼ばれています。
ここでは、そんなジェームズ・ボンド法が実際にルーレットにおいて有効なのかどうかを検証していきます。
ジェームズ・ボンド法とは
ジェームズ・ボンド法では、すべてのラウンドで常に一定額をベットします。フラットベットの一種です。具体的には、毎回、次のようにベットします。
- 19-36に14ドル
- 13-14-15-16-17-18のラインに5ドル
- 0に1ドル
実際にベットした結果は図の通りです。
合計20ドルをベットすることになりますが、これだと少ないという場合は、200ドルや2000ドルにしてもいいでしょう。3つのベット金額の割合が同じならば問題ありません。
勝率67%のジェームズ・ボンド法はハウスエッジに勝てるか?
上記のようにベットすると、全体のうち25個のナンバーが勝ち、12個のナンバーが負けということになります。具体的には次の通りです。
- 玉が19-36のいずれかに入れば8ポンドの儲け
- 玉が13-18のいずれかに入れば10ポンドの儲け
- 玉が0に入れば16ポンドの儲け
- 玉が1-12に入れば20ポンドの損失
こうして見てみると、ずいぶんプレーヤー側に有利な感じがしませんか?ところが実際はそうではないのです。
実は、ジェームズ・ボンド法をもってしても、ルーレットに組み込まれたハウスエッジには勝てません。プレイヤーがどんなにうまくやっていると思っていても、長い目で見れば負けてしまうのです。
数字を使って詳しく検討していきましょう。ルーレットを37回まわし、そのすべてで違うナンバーに玉が入ったとします。その結果が次の表です。
結果 | 回数 | 損益 |
---|---|---|
0 | 1 | 16ドル |
1から12 | 12 | -240ドル |
13から18 | 6 | 60ドル |
19から36 | 18 | 144ドル |
合計 | -20ドル |
何とトータルでは20ドル負けることになります。もちろん、37回とも違うナンバーに入ることは現実的ではありません。しかし確率の問題としては、トータルで20ドルをベットした場合、37回あそべば、平均して20ドル損する計算になります。
したがって、ジェームズ・ボンド法では負ける確率の方が高いということになります。
プログレッシブ・ベットを併用するとどうなるか
ルーレット戦略に精通している人なら、ジェームズ・ボンド法で負けた分をマーチンゲール法などのプログレッシブ・ベットで取り返そうとするかもしれません。ですが、ジェームズ・ボンド法でこれをするのはやめておいた方がいいでしょう。
プログレッシブベットを利用して数回負けると、ベット額が非常に大きくなります。マーチンゲール法の場合、数ラウンド負けただけで、自分が次に賭ける金額の大きさにびっくりさせられます。
そして1度でも大負けすると、すべての負けを取り戻すためには、かなり時間と資金が必要になります。また負けを取り返す前にテーブルリミットに達してしまったら、そこでおしまいです。
それでもプログレッシブベットにこだわるなら、マーチンゲール法やフィボナッチ法に挑戦してください。どちらも危険性があり、勝てる保障もありませんが、それはどの戦略でも同じです。
いずれにしても、ジェームズ・ボンド法を使うならば、フラットベットをおすすめします。
ジェームズ・ボンド法は欠点とは
ジェームズ・ボンドのようにルーレットをプレイするのは確かにクールに見えます。しかし、この戦略にはいいところが何一つありません。
半分以上のナンバーにベットするのは一見頭の良さそうなアイデアですが、オッズは常にカジノ側に有利です。私も、この戦略をテストしてみた結果、7ラウンド連続で負けてしまいました。何と7ラウンドとも玉が12以下に入ったのです。こうなってしまうと挽回するのは至難のわざ、というかほとんど不可能です。
ジェームズ・ボンド法は007のように格好良く決めて遊ぶならおすすめです。ですが、このベット方法でオンラインカジノを破産させるのは、現実的に難しいです。
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